百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり AE対策とその流派について †曲がりなりにもAE対策を扱うページである以上、AAR本編へと移る前にその手法と流派について軽く述べておきます。 まず前提条件としまして、EU4におけるAEの閾値は50とされています。 そして一般的な国家が包囲網に対して懲罰戦争を起こされてしまった場合、まず敗北します。 流派その一 AE対策を行わない †AE対策の極意とは即ちAE対策を行わない事である はい、一行で矛盾しておりますね。禅問答か何かなのでしょうか? 孤立地域を滅ぼす †AEとは地域・文化・宗教による影響を強く受けます。 例 新大陸の先住民・エチオピアのコプト教・チベットの密教・ブリテン島の聖公会等 包囲網とはAEが閾値を突破した国家達が連合を組むものであり、AEが400あろうとも滅んだ国は包囲網へと参加致しません。 我々は無敵であり、並ぶものは存在しない †懲罰戦争とは基本的に包囲網参加国の軍量が、懲罰対象国の軍量を上回った場合に宣言されます。 例 遊牧民を滅ぼした明・統一されたHREの皇帝等 豊かな土地が生み出す無尽蔵の人的資源によって、仮に百万人の軍隊が存在するのであればAEはどれだけあっても問題とはならないのです。 我々は無敵ではない、しかし最強である †AE対策が必要な理由として、一般的な国家では懲罰戦争へと敗北してしまうからであると上では述べました。 例 プロイセン・スウェーデン・ネパール・ポーランド・マイソール等の軍事強国 彼らの軍隊は最強であり、仮に懲罰戦争を起こされたとしても正面から立ち向かえます。 ゲームに習熟した一部のプレイヤーは、懲罰戦争を返り討ちにする事を楽しんでいるとかいないとか。 史実のプロイセンは七年戦争・スウェーデンは北方戦争で包囲網を打ち払っておりますので、歴史ロマンのあるプレイとの好意的な解釈も可能です。 追記 03/06 イングランドの様な強大な海軍を持つ島国であれば、本土へと敵軍を寄せ付けず懲罰戦争へ勝利を望めるとコメントで指摘いただきました。 血を吐きながら続ける悲しいマラソン †さて今まで触れていませんでしたが、包囲網への参加条件として「懲罰対象国と休戦状態ではない」が存在いたします。 例 遊牧民・オスマン等 遊牧民は団結度を高め国体を維持する為に定期的な戦争が必要であるとのシステム設定がなされております。 また史実の大国オスマンはスレイマン大帝の時代にヨーロッパ・ペルシャ・インド洋と三方面でのローテーション戦争を成し遂げておりました。 流派その二 AE増加量を抑える †包囲網の形成と懲罰戦争の宣言はAEが閾値を突破した場合にのみ形成されます。 同盟国を増やす †同盟国・朝貢国の場合はAEの増加量を抑制する補正が付与されます。 宗教・NI等のシステムを利用する †特定の宗派やNIを持つ国家はAE増加量を抑制する補正を付与できます。 宣戦事由を選ぶ・外交併合を多用する †AEを増加させる行為とは何でしょうか? 基本的には和平交渉における領土の獲得です。 聖戦CB・再征服CBがAE増加量を抑える宣戦事由として人気が高いですね。 流派その三 AEを減少させる †極めて厳密な解釈を行うのであれば、AEの閾値突破・包囲網の形成・懲罰戦争の宣戦はそれぞれが独立した事象となります。 懲罰戦争とは勝利を望む場合に極めて困難な戦争として扱われますが、勝利を望まなければ重要事項として扱われません。 宗教・NI等のシステムを利用する †特定の宗派やNIを持つ国家はAE減少補正を付与できます。 土地を手放す †AEを減少させる行為とは何でしょうか? 基本的には時間経過・和平交渉における領土の喪失です。 例 遊牧民・東方宗教・HRE加盟国等 遊牧民や東方宗教の場合、手軽に朝貢国を増やす事が可能となります。 前置きが長くなりましたが、本AARではHRE加盟国による土地を手放すAE対策について軽く触れてみましょうか。 虚を致すこと極まり、静を守ること篤。万物並び作れども、われはもって復を観る †包囲網で遊んでみようとのサンプルとして用意いたしましたのはブランデンブルグです。 サンプル画像のブランデンブルグは1461年時点 ボヘミアを同君下位におき、Stettinを直轄領としています。 プレイヤーによって拡張方向の好みは分かれますが、この時点ではまだそれほどトリッキーなプレイではないでしょう。 おっと、戦勝点が100へと到達している事を忘れていました。そろそろ和平を結ぶことといたしましょうか。 Magdeburgへと対し、AE100相応の自国領土を押し付ける事に成功いたしました。 ブランデンブルグは六つの領邦を失ってしまいましたが、それと引き換えに周辺地域へのAE伝播が4へと抑制されております。 ちなみに当然の事ながらAE100を短期間で積み上げてしまったMagdeburgには包囲網が形成されています。 そして一年後の1462年ですが、懲罰戦争によって袋叩きにされたMagdeburgはブランデンブルグへと五領邦を変換する事と相成りました。 一年分の六領土収入と引き換えにAE25の減少を成し遂げたとみれば、高い買い物ではありませんでしたね。 しかしながら手放した土地が無償で帰ってくるとは、どのように解釈すれば良いのか。 以下妄想 本AARの世界ではブランデンブルグ公はボヘミア王を兼任しておりました。 その為本腰を入れた統治へと専念する為に、英明であらせられるブランデンブルグ公はプラハへの行幸を敢行なされたのです。 ブランデンブルグ公は英明であらせられましたが、公太弟は国を任せる事の出来ない病に蝕まれていました。 ―――野心―――と呼ばれる病です。 公座には悪しき者達を呼び寄せる魔力が込められています。 英明であらせられるブランデンブルグ公は、今や偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王としての責務を果たされています。 「神の愛は無限である。今一度余と共に主の御名を唱えよう」 偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王は硬直したものを柔らかくし、凍えたものを温め、迷える子羊達をボヘミア臣民として迎え入れたのです。 背後にて監国の任に堪え切れず悪しきものへと惑わされた公太弟は隣国であるMagdeburgと手を結び、ブランデンブルグ公位を僭称いたしました。 「国土の半分を引き渡す、だから私を公座へと押し上げてくれ」 公太弟の謀反は成功いたしました。今や彼は新たなるブランデンブルグ公です。 偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王がフス派達を教化した偉業は全キリスト教徒にとっての福音です。 「どうか弟を主の御前へと導いてやってください。あれは良い弟なのです。 偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王の願いが叶う事はありませんでした。 正統なる公座の主は悲しみを胸に秘めたまま、今日もまた人々へと香油を塗り与えているのです。 「幸いなるかな 義に飢えかわく人 かれらは飽かされるであろう」 今回は見栄えを重視してあえて大量の土地を一度に押し付けて、包囲網を形成させて遊んでみました。 注意点といたしましては、土地を手放す際は自国のステートコアのみが存在する領邦を引き渡す事が望ましいですね。 包囲網とは必ずしも避けるべきものではなく、時と場合によっては自国へと利益をもたらす可能性もある。 そんなミニテクニックを紹介する為のプレイでした。 まさに天下を取らんと欲してこれをなせば、われその得ざるを見るのみ。天下は神器なり。なすべからず。なす者はこれを敗り、執る者はこれを失う。 目次 † |