AAR/AE対策の手引き

百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり
戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり

AE対策とその流派について

曲がりなりにもAE対策を扱うページである以上、AAR本編へと移る前にその手法と流派について軽く述べておきます。

まず前提条件としまして、EU4におけるAEの閾値は50とされています。
これに対して国家間の友好度の補正を加えたうえで、外交態度がNeutralに至らず敵対的な国家達が包囲網を形成します。

そして一般的な国家が包囲網に対して懲罰戦争を起こされてしまった場合、まず敗北します。
その為AE対策を行う事と包囲網への対処療法は、非常に近しい関係にあります。
しかしながら厳密な解釈を行うと、それらは明確に区別を行う事が出来ますのでその点から解説を行います。

流派その一 AE対策を行わない

AE対策の極意とは即ちAE対策を行わない事である

はい、一行で矛盾しておりますね。禅問答か何かなのでしょうか?
極めて難解ですが、これこそがこの流派の基礎にして極意であるのですから致し方がありません。
もう少しかみ砕いて考えていきましょう。

孤立地域を滅ぼす

AEとは地域・文化・宗教による影響を強く受けます。
つまり異なる地域・異なる文化・異なる宗教の国家を滅ぼす場合、他国のAE増加量は鈍く事実上AE対策は必要ありません。

例 新大陸の先住民・エチオピアのコプト教・チベットの密教・ブリテン島の聖公会等

包囲網とはAEが閾値を突破した国家達が連合を組むものであり、AEが400あろうとも滅んだ国は包囲網へと参加致しません。
これはAE対策を行わずとも包囲網への対処が必要のない事例ですので、両者の間に明確な区別をつける為にもぜひとも覚えておきたいですね。

我々は無敵であり、並ぶものは存在しない

懲罰戦争とは基本的に包囲網参加国の軍量が、懲罰対象国の軍量を上回った場合に宣言されます。
裏を返せばどれだけ多くの国家が包囲網へと参加していようと、懲罰対象国の軍量が彼らを上回り続ければ懲罰戦争は発生いたしません。

例 遊牧民を滅ぼした明・統一されたHREの皇帝等

豊かな土地が生み出す無尽蔵の人的資源によって、仮に百万人の軍隊が存在するのであればAEはどれだけあっても問題とはならないのです。

我々は無敵ではない、しかし最強である

AE対策が必要な理由として、一般的な国家では懲罰戦争へと敗北してしまうからであると上では述べました。
そうなりますと……一般的ではない国家の場合どうなるのでしょうか?

例 プロイセン・スウェーデン・ネパール・ポーランド・マイソール等の軍事強国

彼らの軍隊は最強であり、仮に懲罰戦争を起こされたとしても正面から立ち向かえます。
包囲網参加国の軍隊は熱したナイフでバターを削るよりも簡単に蹴散らされてしまうでしょう。

ゲームに習熟した一部のプレイヤーは、懲罰戦争を返り討ちにする事を楽しんでいるとかいないとか。

史実のプロイセンは七年戦争・スウェーデンは北方戦争で包囲網を打ち払っておりますので、歴史ロマンのあるプレイとの好意的な解釈も可能です。

追記 03/06

イングランドの様な強大な海軍を持つ島国であれば、本土へと敵軍を寄せ付けず懲罰戦争へ勝利を望めるとコメントで指摘いただきました。

血を吐きながら続ける悲しいマラソン

さて今まで触れていませんでしたが、包囲網への参加条件として「懲罰対象国と休戦状態ではない」が存在いたします。
その為AE閾値を突破している包囲網への参加予備国と常に戦い和平を結び続ける事で、懲罰戦争の発生を未然に防ぐ事も可能です。
俗に休戦ローテーションと呼ばれる包囲網管理のやり方ですね。

例 遊牧民・オスマン等

遊牧民は団結度を高め国体を維持する為に定期的な戦争が必要であるとのシステム設定がなされております。
AEが高くて今すぐには新しい土地は欲しくないけれど、次の大規模戦争に備えて賠償金目当てに二年ぐらい交易戦争をして休戦期間を作ろう等々、
休戦ローテーションの設定はある程度の軍事力と広大な国境線を持ち拡張先の豊富な内陸国と特に相性が良いですね。

また史実の大国オスマンはスレイマン大帝の時代にヨーロッパ・ペルシャ・インド洋と三方面でのローテーション戦争を成し遂げておりました。
ある意味ではこれもまた史実プレイになるのかもしれませんね。
AE対策を行わずとも包囲網への対処を厳密に行っている事例となります。

流派その二 AE増加量を抑える

包囲網の形成と懲罰戦争の宣言はAEが閾値を突破した場合にのみ形成されます。
よってこの流派では国家を拡大するならば閾値である50へと限界ギリギリまでAEを高め続ける事が良しとされます。

同盟国を増やす

同盟国・朝貢国の場合はAEの増加量を抑制する補正が付与されます。
特定の地域において複数の同盟国を保持する事により、将来の包囲網参加予定国を減らす事が出きます。

宗教・NI等のシステムを利用する

特定の宗派やNIを持つ国家はAE増加量を抑制する補正を付与できます。
もっともこれらはゲーム開始時の国家選択に左右されてしまいます。
普遍的なAE増加量抑制補正としてスパイネットワークの結成・高い威信の維持・ポリシーの活用がありますので覚えておくと便利でしょう。

宣戦事由を選ぶ・外交併合を多用する

AEを増加させる行為とは何でしょうか? 基本的には和平交渉における領土の獲得です。
もっとも一部の上級者の場合はNoCB宣戦や休戦協定の破棄によって膨大なAEを広範囲にばら撒きますが、この流派では禁忌とされる行いですね。

聖戦CB・再征服CBがAE増加量を抑える宣戦事由として人気が高いですね。
また外交併合の場合はAE増加量が0である為、和平交渉にてDEV100以下の国家を開放。後に外交属国化を行う事でAE増加量を抑える事が可能です。

流派その三 AEを減少させる

極めて厳密な解釈を行うのであれば、AEの閾値突破・包囲網の形成・懲罰戦争の宣戦はそれぞれが独立した事象となります。
よってこの流派の場合AEとは0~150の間を常に変動させる事が良しとされ、懲罰戦争への対処は重視されません。

懲罰戦争とは勝利を望む場合に極めて困難な戦争として扱われますが、勝利を望まなければ重要事項として扱われません。

宗教・NI等のシステムを利用する

特定の宗派やNIを持つ国家はAE減少補正を付与できます。
もっともこれらはゲーム開始時の国家選択に左右されてしまいます。
普遍的なAE減少補正として関係改善顧問の雇用・高い威信の維持・ポリシーの活用がありますので覚えておくと便利でしょう。

土地を手放す

AEを減少させる行為とは何でしょうか? 基本的には時間経過・和平交渉における領土の喪失です。
しかしながら土地を手放す事は、国力を失う事と非常に近しい関係にありますのであまり好まれない手法ですね。
とは言え一部地域ではAE対策として有効な手段であることは否定できません。

例 遊牧民・東方宗教・HRE加盟国等

遊牧民や東方宗教の場合、手軽に朝貢国を増やす事が可能となります。
そして敗北和平時に朝貢国を解除する事は、AE減少において属国を開放した場合と同等の扱いを受けます。
解除された元朝貢国は一定期間後に再度朝貢を迫る事が容易である為、お手軽AE減少方法として人気がありますね。

前置きが長くなりましたが、本AARではHRE加盟国による土地を手放すAE対策について軽く触れてみましょうか。

虚を致すこと極まり、静を守ること篤。万物並び作れども、われはもって復を観る

包囲網で遊んでみようとのサンプルとして用意いたしましたのはブランデンブルグです。
ドイツ建国を成し遂げたプロイセンの前身国家として名高いですね。
VerUpに伴うNI変更によりAE増加抑制補正を失い、HRE内部での立ち回りが困難になったとされる国家です。

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サンプル画像のブランデンブルグは1461年時点 ボヘミアを同君下位におき、Stettinを直轄領としています。
周辺地域へのAEは29程伝播しており、隣接するMagdeburgと戦闘中です。
プロイセン化を目指してのチュートン領進出ではなく、HRE内部での拡大を優先させたパターンです。

プレイヤーによって拡張方向の好みは分かれますが、この時点ではまだそれほどトリッキーなプレイではないでしょう。
とは言えすでにAEが29溜まっており、今後は10年程拡張を抑制する事が望ましいかもしれませんね。

おっと、戦勝点が100へと到達している事を忘れていました。そろそろ和平を結ぶことといたしましょうか。

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Magdeburgへと対し、AE100相応の自国領土を押し付ける事に成功いたしました。
AIは通常目的外の和平を拒む傾向にありますが、戦勝点が100ある場合は大抵の要求を押し通す事が可能となります。

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ブランデンブルグは六つの領邦を失ってしまいましたが、それと引き換えに周辺地域へのAE伝播が4へと抑制されております。
AEはほぼ0になったと捉えて良いでしょう。手痛い出費でしたが土地を失う事で同時にAEをも失いました。
これならば新規領土の獲得を目指して、新たな戦争を始める事が容易ですね。

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ちなみに当然の事ながらAE100を短期間で積み上げてしまったMagdeburgには包囲網が形成されています。

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そして一年後の1462年ですが、懲罰戦争によって袋叩きにされたMagdeburgはブランデンブルグへと五領邦を変換する事と相成りました。
それに先立ちHRE皇帝からの領土返還要求により一領邦の返還が予めなされておりましたので、合計六つの失った領邦を全て取り返しております。

一年分の六領土収入と引き換えにAE25の減少を成し遂げたとみれば、高い買い物ではありませんでしたね。

しかしながら手放した土地が無償で帰ってくるとは、どのように解釈すれば良いのか。
ここは一つロールプレイといたしまして、公太弟による謀反との動機付けを致しましょうか。

 

 

以下妄想

本AARの世界ではブランデンブルグ公はボヘミア王を兼任しておりました。
もっとも新たに臣下へと加えたボヘミア臣民達の間では異端であるフス派が蔓延し政情不安が治まりません。

その為本腰を入れた統治へと専念する為に、英明であらせられるブランデンブルグ公はプラハへの行幸を敢行なされたのです。
ブランデンブルグ本国は長期間不在となる為、信頼する公太弟を監国へと任じ全権を委ねたのです。
(ブランデンブルグの初期君主と後継者の年齢差が小さい為、太子よりも公太弟へ監国を任せる事が適切と判断)

ブランデンブルグ公は英明であらせられましたが、公太弟は国を任せる事の出来ない病に蝕まれていました。

―――野心―――と呼ばれる病です。

公座には悪しき者達を呼び寄せる魔力が込められています。
かつての公太弟は英明であらせられるブランデンブルグ公の御傍へと仕えていたがゆえに常に感化され、その病を癒す事が可能でした。

英明であらせられるブランデンブルグ公は、今や偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王としての責務を果たされています。
その威光は、どうしようもなく無知で蒙昧であるがゆえに神へと背いた唾棄すべき異端者であるフス派達へと注がれておりました。

「神の愛は無限である。今一度余と共に主の御名を唱えよう」

偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王は硬直したものを柔らかくし、凍えたものを温め、迷える子羊達をボヘミア臣民として迎え入れたのです。
悲しいかな偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王は人の身であるがゆえに、その威光が発せられるのは前面だけであり背中までは輝かなかったのです。

背後にて監国の任に堪え切れず悪しきものへと惑わされた公太弟は隣国であるMagdeburgと手を結び、ブランデンブルグ公位を僭称いたしました。

「国土の半分を引き渡す、だから私を公座へと押し上げてくれ」

公太弟の謀反は成功いたしました。今や彼は新たなるブランデンブルグ公です。
しかしそれを認めるものは邪悪なる悪魔サタンのしもべ達だけなのです。

偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王がフス派達を教化した偉業は全キリスト教徒にとっての福音です。
故郷を失ったボヘミア王は各地の宮廷を巡り頭を下げて回りました。
ブランデンブルグ公位奪還の為の援軍を募ったのではありません。神の愛は無限であり、偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王の愛もまた無限なのです。

「どうか弟を主の御前へと導いてやってください。あれは良い弟なのです。
 弟へ天国の門を潜らせてやりたいのです。それだけが兄としての望みなのです」

偉大なる神の恩寵を受けたボヘミア王の願いが叶う事はありませんでした。
ブランデンブルグの臣民は正統なる公の帰還を祝い、宴の準備に大忙しです。
正統なる公座の主が離宮へ巡行を果たす前に、監国の任を課した公太弟は身代金目当ての野盗に拉致されてしまい行方不明のままです。

正統なる公座の主は悲しみを胸に秘めたまま、今日もまた人々へと香油を塗り与えているのです。

「幸いなるかな 義に飢えかわく人 かれらは飽かされるであろう」

 

 

今回は見栄えを重視してあえて大量の土地を一度に押し付けて、包囲網を形成させて遊んでみました。
無理に大量の土地を失わずともHRE内部の土地であれば、HRE皇帝からの返還要求がなされます。
一領邦ずつこまめに手放して、AE減少を狙うとプレイにメリハリがつくでしょう。

注意点といたしましては、土地を手放す際は自国のステートコアのみが存在する領邦を引き渡す事が望ましいですね。
他国のコアが存在いたしますと、自国への返還がなされない場合もありますので。

包囲網とは必ずしも避けるべきものではなく、時と場合によっては自国へと利益をもたらす可能性もある。

そんなミニテクニックを紹介する為のプレイでした。
短いながらもお付き合いくださり、ありがとうございました。それではいつか又他国にてお会いいたしましょう。

 

まさに天下を取らんと欲してこれをなせば、われその得ざるを見るのみ。天下は神器なり。なすべからず。なす者はこれを敗り、執る者はこれを失う。

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Last-modified: 2021-03-06 (土) 10:14:33